夜まわりにて

ボクはとんでもなくだらしのない人間だから ちょうじりを合わせるために たまにちょっといいことをしたりする。
例えば、路上生活をしている人に弁当を配ってまわる 夜まわりのボランティアをしたりだとか。
今夜は都心をまわった。
だいたいいつも同じ場所に同じ人がいる。
食料に防寒グッツ、SOSガイドと名付けられた支援団体の連絡先が載ってある冊子にテレフォンカードを配る。
テレフォンカードが使われることはあまりないようだが、ごくたまにそこから支援団体のサポートにつながることもある。
ただ、そこから避難先のシェルターなんかに入っても、しばらくして元いた路上に戻ってしまうということも少なくなく(多いと言い切ってしまった方が正しいのかもしれない)、また夜まわりで再会するといった具合だ。
居ごこちよさは人それぞれだから「何で?」と思っても受け入れる。支援者は繰り返し「寒くなってきましたし、またどうですか?」なんて声をかける。
ボクはこのアウトドアライフと屋根のあるシェルター利用のハイブリットスタイルに好感を抱く。
そこには「薬はもうやめよう」と「薬をやめるのはもうやめよう」とを行ったり来たりする自分の心情と通ずるものがあるように思えるからだ。
すべての人に自分だけの住まいをというハウジングファーストの理念。
この理念を胸に「その人がその気になるのを待つ」「その人のタイミングを大事にする」「強要せずに関わりつづける」胆力勝負の世界だ。
ハウジングファーストとハームリダクションって似てるなぁ。今より少しでも...正しくもやさしい。
「もう一度シェルターに入ってみようかなぁ」と路上の人の声がきこえる。
この瞬間に立ち会える至福。これくらいのうれしいと思う気持ちはゆるしてもらいたい。

 

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余ったお弁当をいただきました