月末までには今の住まいを引き払わなければならない。わかっているけれど後回しにしてしまう。
いつまでもふんぎりがつかないボクはこの部屋の象徴-鹿の角-を壁から外した。たったそれだけどボクにとっては厳かな儀式的瞬間だった。
あとは早かった。業者に連絡して日程を決めて、必要なものを整理した。そんなに大荷物の生活をしていたわけではないけれどダンボール10箱くらいになった。
判決までのシェルター暮らし。困ったときの支援団体。
18箇所目の住まいは日本一振り込め詐欺の多い街「沼袋」である。短い間だがいい思い出をつくろうと思う。
収監まで後18日