ザラザラ系男子

平日の昼食は通常のコッペパンと惣菜にプラスして、自弁(自己負担で一品と紙パックのドリンク)を注文できる。カレーライスやハンバーグ、唐揚げなどがっつり目のメニューが多い。自弁の量が多いときにはパンが食べれなくなることがある。

テンポはゆっくりだが食欲は旺盛なウケコ君は「それもらってもいいですか」といつも聞いてくる。その躊躇のなさに、もしかしたら路上生活の経験があるのかもしれないと思う。断る理由もないのであげるのだが、余り物を食べているウケコ君をみていると口の中がザラついて味がわからなくなってしまう。

そう思いながらボクは気づく。自分も誰かに同じような思いをさせてしまっているのかもしれないと。

ポジディブはボクの義務みたいなもんだから、ここ最近は自分のセクシャリティや薬物依存やHIV、それに前科の過去を隠したりはしてない。あっけらかんと生きている。だけどその姿を見て、ザラザラした気分になってる人もいるんじゃないか。そんな風に思った。

「それだけ無神経だと笑えるよね」と言ってもらった方が正直楽だが、ボクもウケコ君のことをそんな風な気遣いない笑いで受け止めることができない。

ザラザラ系男子同士仲良くやろうと思う。

 

 

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『明け方の恋人たち』カツセマサヒコ

タイマ君に勧められて読んでみた。とても話題になっていて、実際に売れていて、映画化されるほどの人気らしい。これが響かないのは自分の感受性の問題なんだろうか。