勾留期限を待たずに起訴状が届く。
考えるまでもないという検察側の意思表示なんだろう。
どこまでも感じ悪い。
99.9パーセントの有罪が確定した瞬間だった。
部屋の小窓から起訴状を受け取ると「ぷっ」っとおならが出た。脳より先に腸が刺激されたらしい。
ボクはこれから来たるべき二年半の拘束生活を思い、心の底から覚醒剤がやりたいと思った。
『新選組血風録』司馬遼太郎
あっけなく人が死んでいく。命よりも大事にすべき美意識に生きる剣士の物語だとは百も承知だが、そんなに粗末にしなくてもと思ってしまう。だがはたして自分だって自分の人生を大事にしきれているかと問われればあやうい。お前の美意識は何だ?と剣を何度もつきつけられた。