マスク奇譚
新しいマスクをつけてうたたねをしたらべっとりとよだれがついてしまった。地味に凹む。もちろん交換してはもらえない。ここではマスクの交換は火曜。つまり一週間同じマスクを間使い続けるわけである。
新宿留置は昨年クラスターを発生させたため勾留者を他の警察署へ移送したり、押送も個別対応したりなど、てんやわんやの年末だったらしい。そういうこともあって、コロナ予防のためのマスク着用については口うるさい。
だったらもっとこちらがつけようと思えるような配慮をしたらよかろうに。正直、一週間同じマスクなんか衛生的にもどうかと思う。それに本来ディスポーザブル仕様のマスクを何日も使うとなるとゴムが伸びてしまい、いちいちずり落ちて使いづらすぎる。(まあ針の先端が潰れても、メモリの印字が剥げても、同じ注射器を繰り返し粘り強く何度も使い続けてきたボクの言葉は身勝手な主張なのであるが)。
マスクについて要望を出すと担当にキレられて保護室処遇になるというまことしやかな噂もある。噂の真偽を確かめるために我が身をもって訴えようとは思わない。我慢あるのみだ。
「犯人つかまってかわいそう」と毎回思う。