淋病
ボクはボクにやさしい。世界で一番ボクにやさしい。このやさしさは淋しさを使ってボクを世界一の孤独に鍛えあげる。結果「君っていつもつるまない一匹狼だよね」と言わるようになった。
目の前に湯気だつ一人鍋。取り分ける手間もなく、鍋から直橋で食べれる無礼講が贅沢だ。本気でそう思っていた。
今日気づいた。これってただでかい皿の一人料理に過ぎないんじゃないかと。
一人になりすぎてはいけない。今日の鍋はそんな風に思わせる味がした。
他者の存在が解決してくれるタイプの淋しさもあれば、もう孤独を愛するしか乗り越える手立てはないというようなドンつき行き止まりの淋しさもある。
ボクは今確実に人恋している。
あゝ彼氏がいればなあ。あゝ彼氏がいなくてよかったなあ。
あゝきっとボクは淋病だ。
収監まで後26日
淋病、梅毒、コンジローマ、ヘルペス、毛じらみ…